それでは、具体的に他の諸外国の車と比較して、フランス車の特徴を大まかにつかんでいこう。

VS アメリカ車
アメリカ車とフランス車、これらはまるで「真逆」であるという印象をまず受ける。広い荒野の一本道をどこまでも猛スピードで豪快に直進してゆくような印象を受けるアメリカ車に対し、フランス車にはそういったイメージは全くと言っていいほどない。全体的に大ぶりで、細かい部分まであまり配慮されていないが、とにかく大きくてパワーはある、という印象のアメリカ車は、日本の道路事情を考えるとやや不向きであると言わざるを得ないのではないだろうか。また、アメリカ車はその燃費の悪さでも有名であるが、それに対しフランス車の燃費は圧倒的に良い。

VS ドイツ車
続いてはVSドイツ車。ドイツ車は「質実剛健」という言葉が相応しい車である。機械としての完成度が非常に高く、自社の個性を大事に守るという風土がある。何事に関してもあいまいにすることが嫌いなドイツの国民性からか、手順にこだわった造りや操作性が一番の特徴だ。機能美を大切にしている、という印象を非常に強く受ける。フランス車と違う点を挙げるのであれば、やはり合理性に欠ける、といったところではないだろうか。フランス車はドイツ車と違って製造段階から非常に合理的である。例えば部品もほとんど自社工場で製造するドイツ車とは対照的に、フランス車は自社開発部品が非常に少ない。このような面からも、フランスとドイツの国民性の違いが垣間見える。

VS イタリア車
我々がイタリア車に対して抱いているイメージ、それは「派手」「スポーツカー」「エンジン音」などといったものではないだろうか。また、壊れやすい車、というイメージを持っている人も多いかもしれない。そしてそれはアメリカ車同様、フランス車とは全く逆のイメージであると言える。個性と遊び心を強く主張しているイタリア車に対し、フランス車のデザインはどちらかと言うと保守的で地味ではあるものの、どことなく品や華がある、といった印象を強く受ける。視覚的な存在感を大切にするイタリア車と比較してみると、フランス車は地味かもしれないが何かほっとするものを感じさせるような車、と言えるのではないだろうか。

VS イギリス車
世界屈指の高級車、ベントレーなどに代表されるのがイギリス車だ。そのイメージ同様、イギリス車は全体的に伝統や風格を重んじるような印象を受ける。また、イギリスを代表する車のひとつ「ミニ」は全世界に根強いファンを持つ。その他、ローバーやジャガーなどもイギリスを代表する車として有名である。イギリス車はとにかく「雰囲気」重視である。飛びぬけて高級な車が多いのもイギリス車の特徴のひとつではあるが、フランス車とはまた別の「雰囲気」、何か威厳のようなものを感じる。それ故、一般人には少々遠い存在のように感じてしまうことも少なくない。運転手付きの高級車、といったイメージである。自分自身で運転を楽しめる身近な存在の車、それがイギリス車と比較した際のフランス車の最大の特徴のひとつである。

VS 日本車の性能の良さで世界に名を轟かせている日本車であるが、かと言ってフランス車の性能が悪い、というわけでは決してない。「コンパクトなのに多機能」「シートアレンジが自在で室内空間が広い」といったような機能ばかりを重視している印象を強く受ける日本車に対し、フランス車の強みはやはりその室内空間の居心地の良さではないだろうか。シートのすわり心地はやはり特筆すべきものがあり、特に用事がなくてもどこかに出かけたくなる、そんな優しい安心感に似た雰囲気を携えている日本車はあまりないのではないかと思われる。リラックスした状態で運転する、ということは、ドライバーにとって非常に重要なことなのではないかと思われる。